立憲・無所属フォーラムの望月高徳です。会派を代表し、市第100号議案、横浜市におけるカジノを含む統合型リゾート施設、 IR 誘致についての住民投票に関する条例の否決に反対、つまり制定に賛成。請願第60号、第61号、第62号の採択に反対。つまり採択すべきとの立場から討論します。

 請願ついてはいずれもカジノを含む IR の是非を問う住民投票条例の制定を定めるものですので、採択すべき理由はこの後申し上げる第100号議案を議会として可決成立させ、住民投票実施すべき理由と同様になります。

 まず申し上げたいことはこの条例案の意義です。本議案は言うまでもなく地方自治法第12条及び第74条の基本権利として規定され保障された直接請求権に基づき上程されたものです。この権利は憲法による地方自治の本旨に関わります。大変残念なことですが、市長は住民投票は意義が見いだし難いとの考えです。それは間違った捉え方だと断ぜざるを得ません。ならばもう一方の市民の代表である議会で、この直接請求の意味を取り違えることは絶対にあってはなりません。

 本市における直接請求は1980年以来40年ぶりでございます。都市部に位置し、且つ大きな人口を抱える本市において、コロナ禍にあっても短期間に19万3193筆と法定の3倍を超える有効署名が集められた点は特筆すべきことです。市民による本市における住民自治のこの実践に心より敬意を表します。この条例案の請求の要旨や目的から判断して、署名に応じた市民は IR 誘致に反対な市民ばかりでなく、賛成の市民も多く含まれていること。様々な立場の市民が一つになられて住民投票実施による民意の確認を求めていることははっきりしています。驚くほど多くの市民が私たちの声を聞けと声を上げていらっしゃるんです。

 市長や議会は市民が直接請求で訴えざるを得なかった事実を謙虚に受け止め、この事業の進め方や議論にあり方はここまでどうであったのか、まずは省みて反省すべきです。議会は請求代表者が直接請求に至った理由やその想い、あるいはこれだけ多くの市民が署名に応じた理由や思いに十分想像力を働かせしっかり受け止めていくべきです。今回の直接請求の意義を正当に評価し、請求代表者、そして署名なさった市民に市民から選ば議員として成立に向け寄り添った対応すべきです。

 私たち会派はこの条例案は中身も妥当と考えています。もし中身に不都合や変更すべき点があるから賛成できないと言うならば、その議員の方は修正を加えればいい話です。それを一刀両断のごとく認めずと否決していいのでしょうか。そもそも本議案はカジノを含む IR 事業の本市への誘致に端を発します。この事業は本市が手がけている数多くある事業の内の単なる一つにすぎないのでしょうか。現山下埠頭地区と同地区周辺の再開発だけの問題でしょうか。誘致となれば10年と言わずその先の何十年もの本市の未来に関わって本市のまちづくりや市政運営の根本に影響を与え、その方向性を決定していく重大な事業の話です。そのことを市長も議会も再認識すべきです。

 私たち議員はすべて選挙によって選ばれこの場にいます。選挙では重要な政治課題、自身が議員として特に進めていきたい政治課題は公約に掲げ市民の選択の判断材料として示すべきもののはずです。市民の代表の立場を頂き議員となったなら代表民主制の原理に従って議会の場で議論を戦わせ、責任を負って結論を導き出すのは当然です。しかし、どんな政治課題であっても無条件に議会や市長だけで決めているわけではありません。重大な問題であればあるほど選挙で選ばれたものは問うべき時に市民、有権者に信を問い、洗礼を受ける形でその民意を汲み、その上で判断すべきです。そうでなければ代表民主政治は成り立ちません。まさにカジノを含む IR 誘致の是非は民意を問うべき問題です。

 選挙という機会があったにも関わらず、その際には態度を曖昧にしたままで市民にはかることもなく、民意を問わない市長と議会で決めていいような話ではありません。推進の立場はかたくなに推進を前提に説明し、その範囲で聞ける意見だけは聞いていくと、これでいいわけがありません。

 今市民はどうお考えでしょうか。ここ何十年間の間も大切な事業、市民生活に多大な影響を与える事業の立案と執行は本市でもあったはずです。しかし、その度に直接請求権が行使され住民投票が求められてきたわけではありません。しかし、今回は法定数の3倍以上の署名数で直接請求がなされました。こんな重大な問題を民意を確認せず市長や議員だけで決めてくれるなと市民が判断なさったからこそ40年ぶりの直接請求に至ったんです。この事業の進め方はおかしいと思われているからこそ、この条例案を発議されたのです。これほど重大な問題はない。このような主張や議会に任せたままにするわけにはいかない。市民の皆様はそうお考えなのです。決して市長がおっしゃるような IR への関心の現れなどという軽い言葉で寄り添わず、受け流していいような市民の行動選択ではありません。そのことをはっきりと申し上げます。

 今回の直接請求は少なくとも二つの点で市民からの明確な異議申し立てです。一つは IR 事業そのものに対する異議申し立てです。もう一つは先ほどまで申し上げたことにつながる進め方に対する異議申し立てです。市はカジノを含む IR 施設を設置すれば本市が年間に受け取っている法人市民税をはるかに上回る税収効果が得られるとしています。そのことは一見、魅力的に思われます。しかし今、市長が国と一体となって進めていこうとしているIRはカジノ施設必須です。施設は全体面積の3%以下に制限されてる、だからカジノ施設だけに注目すべきではないというのはごまかしです。面積は3%以下であっても売上の七割、八割はカジノ施設になると想定されます。

 コロナ禍前の試算ですらIR来訪客の7割程度は国内客になる見込みです。カジノ関連収益の大部分はゲーミングによる収益です。ゲーミングとは要は賭け事です。誰かが負けたお金を誰かが受け取る。誰が受け取るか、どれだけ受け取るかの話です。賭け事であるゲーミングに由来する収益を市が期待し、その収益でまちづくり事業の推進を図ることを意味します。依存症や治安の問題などの懸念事項に対する対策、それに必要とされる社会コスト、本市が負担することになる基盤整備などの整備費なども具体的には一切示されていないことも問題です。単に対策をとればいい、後からでも説明すればいい話ではありません。つまるところカジノというギャンブル施設を収益の中心に据えるこの事業。国家プロジェクトだからという市民本位でない言葉を錦の御旗にカジノ抜きの他の方法による山下埠頭の活用を一切検討することもなく、魅力ある私たちの横浜の資源を活かしたカジノ施設のないまちづくりを真剣に検討することもなく、とにかく推し進めようとすることは問題です。カジノ収益によって初めて成り立つIR事業。それが将来の本市のためになるでしょうか。そして、それが本当に市民が望んでいる市政運営でしょうか。市長と議会はこの根本の問題を真摯に受け止め、市民の意思やお考えを確認してきたでしょうか。市民の疑問やお気持ちに答えられているでしょうか。確認できていない、答えられていないからこそ、私たちの声を聞けと怒って声をあげられてるんです。怒ってらっしゃるからコロナ禍にもかかわらずご氏名、ご住所、生年月日を自ら明らかにし、印まで捺されて20万筆近い署名が集められたんです。市民の私たちの声を聞けというまっとうな声に、この想いに市長がお答えにならないなら我々議会が答えるべきです。

 条例案は公布の日から起算して60日以内の住民投票の実施を求めています。私たち会派は現段階で提供されている情報でも市民はカジノを含む IR 事業の本質がわかっていらっしゃるので、事業の是非を、それぞれの考えや価値に従って正しく判断なさると考えます。細かな数値は細々とした計画の中身は、議会は議会として責任をもって討議すれば済むのです。それとは別に住民投票で民意を確認することに何ら不都合は認められません。区域整備計画が作成されなければ議会も市民も事業の良し悪しが判断できないとの懸念の方はこの際、条例案の実施時期を区域整備計画作成とその議決の間に修正、改正提案していただくのはいかがでしょうか。

 市長は事業を推進するか否かが判断をする前に市民の声を聞くとおっしゃったはずです。お聞きになられたならどうしてこの結論になるのでしょうか。市長のご経験ならお分かりのはずです。説明会や新聞報道に限らず様々な場面から事業に反対の市民が多いことはわかってるはずです。それでも結論ありきで推進するのは間違ってます。市民はカジノを含むIRとは何か理解してないから反対している。広報よこはまや動画配信などをおこなって一方的に宣伝、広報していけばそれで十分丁寧な説明になる。反対だった市民も理解して賛成するようになる。あとは最低限の法定手続きを踏めば IR 整備法の求める地域における十分な合意も得られるとお考えなのでしょうか。まったく見当違いと申し上げざるを得ません。

 市長の附した意見書のことを申し上げます。市長が条例案はカジノを含む IR 誘致という個別具体的な問題に対して法律で保障された直接請求権を住民が行使された結果という意味を理解なさらず、地方制度調査会の答申を持ち出し、一般的な制度化の話に置き換え、位置づけの難しさが云々と語られていることは的はずれです。住民投票を意義を見出し難いと切り捨てる一方で代表民主制が健全に機能していると自己評価し、住民投票実施することはこれまでの議論の棚上げを意味すると一方的に断じて、議会における議論を基本として法定の手続きを着実に進めていくと結論づけるこの態度は市民に選ばれた者としてあまりにも不遜です。市長は是非、一度立ち止まって謙虚にここまでの推進姿勢を顧みてください。市民がどういったまちづくりを望んでいるのか。今からでもいいのでお聞きになってください。

 今回の条例案の成否は議会に委ねられています。市長がはっきりと住民投票という形で意見表明の機会を市民がはっきりと住民投票という意見表明の機会を求められている以上、議会が可決し、それを保障すべきです。市長が前向きでないならば二元代表の一方として議会が条例案を成立させ民意を問う住民投票実施することこそが市民に対する責任を果たすことになります。

 問われているのは何か。横浜の民主主義です。道理ある市民の皆様の想いを受けて議会が市民とともに横浜らしい民主政治、住民自治を切り開いていくことが私たちのあるべき姿で取るべき道です。そのことは強く申し上げます。

 最後に区域整備計画認定申請は本年10月以降とされています。8月には市長選挙が予定されています。申請前に必要な計画の作成と議会の議決がよもや市長選挙前とされないことを強く申し入れ会派を代表しての討論を終わります。ありがとうございました 。

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